コンパニオンプランツ(相性の良い植物の組み合わせ)は、植物間の相互作用を活かし、病害虫の抑制や収量の向上を図る方法です。
この手法は、環境に優しく、農作業の効率化にもつながるため、持続可能な農業の一環として注目されています。
コンパニオンプランツの基本原理
- 病害虫の抑制
一部の植物は特定の害虫を寄せ付けない香りや成分を持っています。
これを利用して、主要作物を守ることが可能です。 - 生育の促進
栄養素を補完し合う植物を組み合わせることで、互いの成長を助ける。 - 土壌の改良
根から分泌される成分が土壌を改良し、病原菌の抑制や養分の供給に寄与します。 - 多様性の向上
異なる植物を組み合わせることで、生態系の多様性を高め、安定した農業環境を作る。
代表的なコンパニオンプランツの組み合わせ
1. トマトとバジル
- 効果
バジルが害虫(アブラムシやハダニ)を寄せ付けず、トマトの味を良くする。 - 活用例
トマトの列の間にバジルを植える。
2. キュウリとディル
- 効果
ディルの香りがキュウリの害虫を追い払い、受粉を助ける昆虫を引き寄せる。 - 活用例
キュウリの近くにディルを散在的に配置。
3. キャベツとタイム
- 効果
タイムがキャベツを狙うモンシロチョウの幼虫を寄せ付けない。 - 活用例
キャベツの株元にタイムを植える。
4. トウモロコシ、インゲン、カボチャ(スリーシスターズ)
- 効果
トウモロコシはインゲンのつるを支え、インゲンは土壌に窒素を供給。カボチャは地面を覆って雑草を抑える。 - 活用例
トウモロコシを中心に、インゲンとカボチャを円形に配置。
5. イチゴとニンニク
- 効果
ニンニクがイチゴの病害(うどんこ病など)を抑える。 - 活用例
イチゴ畑の列間にニンニクを植える。
6. マリーゴールドとどんな作物でも
- 効果
土壌中の害虫(センチュウ類)を抑制し、作物の健康を保つ。 - 活用例
作物の周囲や畑の境界にマリーゴールドを植える。
コンパニオンプランツを活用する際のポイント
- 組み合わせの相性を確認
- 互いに助け合う組み合わせを選ぶ。逆に成長を妨げる組み合わせもあるため注意。
- 適切な距離を保つ
- 植物間の競争を避けるため、適切な間隔を設ける。
- 輪作との併用
- コンパニオンプランツを使った畑でも、輪作を取り入れて病害虫のリスクを軽減。
- 少量から試す
- 初めは小規模で試験的に導入し、効果を確認してから範囲を拡大。
コンパニオンプランツのメリット
- 農薬の使用削減
自然な方法で害虫を抑制。 - コスト削減
窒素固定や土壌改良で肥料の使用量を減らせる。 - 持続可能な農業
生態系を活かした農業で環境への負荷を軽減。