農業機械は作業効率を大幅に向上させる一方、高価な設備でもあります。
そのため、日常的なメンテナンスを適切に行うことが、機械の寿命を延ばし、故障を防ぐ鍵となります。
ここでは、農業機械の長寿命化に必要な基本的なメンテナンス方法とポイントを紹介します。
メンテナンスの基本ステップ
1. 定期点検を習慣化
- 推奨頻度
使用前、使用後、そして一定時間ごと(例:100時間ごと)に点検を行いましょう。 - 点検内容
- エンジンオイルや冷却水の量と品質。
- タイヤの空気圧と摩耗具合。
- ベルトやチェーンの緩みや劣化。
2. 清掃の徹底
- 汚れの除去
使用後は機械に付着した土や泥、作物の残渣を必ず取り除きます。 - 錆の防止
金属部分は水分をしっかり拭き取り、必要に応じて防錆剤を使用。
3. 適切な潤滑
- グリスアップ
可動部分に定期的にグリスを注入し、滑らかな動作を維持。 - 潤滑油の交換
使用時間に応じて、エンジンオイルやギアオイルを交換。
4. 消耗部品の交換
- 交換時期を守る
ベルト、フィルター、刃などの消耗部品は、メーカー指定の交換時期を守りましょう。 - 部品の在庫確認
シーズン中に部品が不足しないよう、事前に予備を準備。
5. 正しい保管
- 保管場所
直射日光や雨風を避けた乾燥した場所に保管。 - 長期間の保管時の対応
燃料を抜き取り、防錆剤をスプレーしておく。
機械別のメンテナンスポイント
1. トラクター
- エンジンオイル、冷却水、エアフィルターの定期交換。
- タイヤの空気圧を適正値に保つ。
- ブレーキやクラッチの動作確認。
2. コンバイン
- 刃やローター部分の摩耗点検。
- 脱穀部や搬送チェーンの清掃。
- ベルトの張り具合を確認し、必要なら調整。
3. 草刈機
- 刃の研磨や交換。
- 燃料系統の詰まりを防ぐため、使用後はキャブレターを清掃。
- 点火プラグの状態確認。
4. 散布機
- ノズルの詰まりを防ぐため、使用後は水で洗浄。
- タンク内の残留物を完全に除去。
- ホースや接続部の劣化確認。
長く使うための注意点
1. 使用時の注意
- 無理な使い方をしない
機械の能力以上の負荷をかけると、故障の原因に。 - 適切な燃料を使用
指定された燃料やオイルを使用し、劣化したものは避ける。
2. メーカーのマニュアルを守る
- 取扱説明書に記載されたメンテナンススケジュールを遵守。
3. プロの点検を受ける
- 年に1回程度、メーカーや専門業者による点検を受けることで、安全性と性能を維持。
メンテナンスでの失敗を防ぐコツ
- 記録を取る
- 点検や交換の履歴を記録しておくと、次回のメンテナンス時期がわかりやすくなります。
- 複数の機械を一括管理
- 複数台の農業機械を持つ場合は、管理シートや専用アプリで一括管理すると便利。
- 部品調達のルート確保
- 予備部品の在庫があるショップやオンラインストアを事前に確認。